株式会社カルックスは発泡スチロール製品のメーカーです。
これから工程を簡単に説明します。株式会社カルックスは確かな技術力としっかりした品質管理の下で信頼できる商品をお届けいたします。またカラー製品や低倍率成形品など独自のノウハウで生産しております。
1.原料受け入れ
原料メーカーより原料納品の際に、原料のLOT番号や試験データーをチェックし管理します。
500kgのフレコンバックの他に着色原料や特殊原料は100kg又は125kgのドラム缶で納入されます。
2.予備発泡
予備発泡とは原料メーカーから購入した発泡スチロールの原料(この段階では膨らんでません)を様々な用途別の発泡倍率に膨らませる工程です。
発泡スチロールの原料はポリスチレン樹脂に発泡剤としてペンタンガス等(フロンは使っていません)が封入されています。ポリスチレン樹脂は約80℃で軟化するため、水蒸気で95~98℃に加熱すると発泡ガスの力で原料ビーズが膨らみます。1粒の原料粒子は風船のように膨らむのではなくミクロン単位の小さな泡(セルと言います)が集まった状態です。(写真参照)
主な倍率 | 特徴や主な用途 |
5~10倍 | 強度があるため、ロボットトレイなど |
15~20倍 | 強度に優れ、繰り返し使う容器・ロボットトレイなど |
30倍 | 断熱性に一番優れている倍率で、医薬品の輸送箱や高級食材容器等 |
50倍 | 断熱性と強度は中間くらいで、アイスクリームなどの容器や包装用パッキン等 |
60倍 | 断熱性は劣りますが安価なため、魚箱や価格優先の容器、包装用パッキン等 |



2-1 発泡倍率チェック(最終製品に大きく関与するため)
発泡スチロールの倍率は「かさ比重」を基本とします。原料の比重は約1.03(水とほぼ同等ですが若干重い)
倍率 | 1㍑当たりの重量 | 比重 |
10倍 | 100g/㍑ | 0.100 |
20倍 | 50g/㍑ | 0.050 |
30倍 | 33g/㍑ | 0.033 |
50倍 | 20g/㍑ | 0.020 |
60倍 | 17g/㍑ | 0.017 |
予備発泡された材料を定期的に抜き取り検査し、品質管理を行います。検査データーは品質管理資料として保管します。
2-2 発泡粒の熟成
予備発泡工程で、発泡ガスの力で膨らんだ原料は温度が下がるとガスが収縮し、セルが減圧状態となります。
発泡粒の中に空気を取り込んで大気圧と同じになるまで放置する事を「熟成」と言います。原料の種類や倍率によって熟成時間は変わりますが、通常は12~24時間を熟成時間とします。
予備発泡された原料からは発泡ガスが時間経過と共に逃げていくので予備発泡後は、夏場は48時間・冬場で72時間以内に全て使用します。
3.成型工程(成形機による自動成型)
成型工程は金型内にて①予備発泡粒を充填→②加熱(水蒸気にて)→③冷却(水冷+真空放冷)→④離型(取り出し)
3-1金型準備
3-2成形機


3-3成形直後の製品チェック及び製品整列
製品の成形工程が終わると金型から取り出されます。成形後直ぐに製品をチェックし、異常が発生したら直ちに成形条件を手直しします。
製品の整列は、製品に傷が付かないように周囲にクッション材を貼った台車に丁寧に積み込みます。
次工程の製品乾燥でしっかり乾燥できるように製品間に隙間を空けて積み込みます。
4.製品乾燥
15mの乾燥ライン(当社で設計)
乾燥ラインは常にドライな温風を供給し、効率良く製品を乾燥させます。(全ての製品を乾燥ラインに通します)
(他社の多くは温度を上げただけの乾燥室で湿度が100%となり乾燥しづらく、濡れなどのトラブルが出やすい)
この乾燥ラインの熱源はコンプレッサーの廃熱を利用し、蒸気の熱交換器で温度コントロールしています。
5.検査・梱包
弊社ではこの検査・梱包部門を「CP」と呼んでいます。(C=Check、 P=Packing)
乾燥の終わった製品は台車ごとCPに運ばれ、製品に傷や汚れなどの瑕疵がないかをチェックし製品仕様書に基づいて丁寧に袋詰めを行います。
CPの作業場は毎日水拭きを含めて清掃し、ゴミや汚れの付着防止を図っております。
6.在庫
CP部門にて検査・梱包された製品は倉庫にて保管されます。製品は生産ロット管理を行い先入れ先出しを徹底しています。
7.出荷
御客様の元に迅速かつ丁寧に製品をお届けできるよう細心の注意を払って配送を行います。
遠方や少量の御客様には運送会社の路線便で出荷します。(チャーター便も可能)
近隣は自社のトラックでも配送を行っております。(概ね当社より150~200km位まで)
8.その他
発泡スチロールはリサイクルされています。(日本国内では約90%がリサイクル)
発泡スチロール業界のリサイクル団体「発泡スチロール協会(JEPSA)」に加盟しています。
発泡スチロールのリサイクルマークは次のようになっています。
※品質管理について
この写真はあまり公表したく有りませんが、弊社工場内に不良見本を展示し
社員全員が不良内容とその呼び名を統一し、品質意識を向上させています。
不具合の限度に関しては製品毎に仕様書作成し、それに基づき検査します。