ひとくちに「発泡スチロール」と言いますが、大きく分けて3つの製品群があります。

(1)EPS Expanded Polystyrene (ビーズ法発泡スチロール)
魚の箱や家電の包装材などに代表される「発泡ビーズ成形品」。『EPS』と呼びます。金型を使って立体的に色々な形が作れます。

(2)PSP Polystyrene paper (発泡スチレンシート)
お刺身のトレーやカップ麺の容器などに代表される「発泡シート成形品」。『PSP』と呼びます。金型でトレーやカップなどの簡単な容器が作れます。

(3)XPS Extruded Polystyrene (押出法発泡ポリスチレン)
建物の断熱材として代表的な「押し出し成形品」。『XPS』と呼びます。カットして使用しますが、ほとんどが建物内部やサーフボードの中に入っているので一般的には目に付きません。

以上の3つ(『EPS』『PSP』『XPS』)が発泡スチロールと呼ばれる製品です。
カルックスはこの中でビーズ成型(『EPS』)の製品を製造しております。

発泡スチロール(EPS)の製造工程を簡単に説明します。

1.原料(EPS原料には予めペンタンガス・ブタンガス等が含漬されております。フロンは使いません)
カルックスは食品容器として適合している原料のみを使用しております。

発泡スチロール原料
発泡スチロール原料
発泡スチロール原料詳細
発泡スチロール原料詳細


2.予備発泡(水蒸気の熱で原料を膨らませます。品質にはこの工程が重要で、最終製品の倍率(原料の膨らまし方)が決定づけられます。)
原料を膨らませるため、安売り品や粗悪品は沢山膨らませ(60~70倍)原料節約しますが、強度や保冷性能が落ちます。
カルックスは一切の妥協はしません。厳密な倍率管理を行い50倍以上の商品は作りません。
予備発泡機


予備発泡機


予備発泡粒


予備発泡粒詳細


成形品画像


※ここで発泡スチロールの倍率について説明します。
EPS原料の比重はほぼ1です(水と同等位ですが僅かに重い)。

倍率は体積に対して言いますので、50倍ならスチロール樹脂1㍑を50㍑に膨らませます。

製品は50㍑でも重量は1kgです。重量は比重を使いますので50倍は「0.02=1/50」です。

従いまして50倍製品の98%は空気で樹脂は僅か2%。(30倍品では96.7%が空気で樹脂は3.3%)

ややこしくなりますので、簡単に説明しますと魚箱約60倍品に対してカルックスのクーラーボックス30倍品は原料を2倍使い高い強度と保冷性を有しているんです。

他社との比較(カルックスのこだわりポイント)

1.カルックスの製品の特徴
(1)発泡倍率30倍品・50倍品を核とし、20倍品・15倍品をラインナップ
   繰り返して使える耐久性のある製品を販売

(2)カラー製品は5色を常に標準色として使用しており、カラー特注は原料ロット単位(100kg)から受け付けております。(原料メーカーの保有原料とします。)
カラー製品を利用することで商品のイメージアップや繰り返し使う際に汚れが目立たないなどの利点があります。




(3)保冷性の優れた製品を作るために金型から精密加工し、本体と蓋のかんごう(はめ合わせ)を製品毎に冷気が逃げないように作り込んであります。

(4)保冷性を良くするために発泡原料ビーズ一つ一つがしっかり融着するように製造しています。
原料は丸い粒なのでしっかり膨らませないと隙間が出来て冷気が漏れたり水漏れの原因にもなります。
製品をしっかり融着させるのには加熱(水蒸気)を多めに使います。
安物はこの工程で手抜きして加熱を十分に行わず時間短縮しているんですよ。

(5)生産ライン
カルックスの製品はほとんどが食品保冷容器や医薬品輸送箱などに利用されております。

特に食品容器はゴミや髪の毛などの汚れや異物付着に気を使います。

カルックスの検査包装場所は一日に2回床の水拭きを行い、朝や休憩後に作業に入る前には衣服のゴミ取りを徹底しています。


生産ライン

その他加工
1.シュリンクラベル加工
2.シール貼り加工
3.紐取り付け

特殊発泡スチロール製品製造
発泡スチロールと言っても倍率は様々ですが、カルックスは低倍率の製品加工技術が確立されており、他社では難しい2倍~10倍の製品加工も行っております。

カルックスは発泡スチロール協会の会員です。
発泡スチロール協会(JEPSA)は発泡スチロールのリサイクルに取組んでいる業界団体です。
原料メーカーや発泡スチロール加工メーカーが加入し資金を出して日本並びに世界の発泡スチロール製品のリサイクルを推進しています。(詳しくは発泡スチロール協会のホームページをご覧下さい)