保冷剤使用による保冷試験(コロナウィルスのワクチン保冷容器としての実証試験)
コロナウィルスのワクチン投与では、ワクチンの保管温度がが2~8℃程度と温度管理が必要であり、当社製品で保冷剤を使用した場合にどの程度の保冷能力があるか試験を行った。(他社では温度データのみの公表で、保冷容器や保冷剤の投入量などの条件は非公開で長時間保冷できる能力が有るとしていますが、弊社は使用した発泡スチロール容器や投入した保冷剤の量なども開示致します。)
1.使用する発泡スチロール容器と投入した保冷剤の量(発泡スチロール容器は全て発泡倍率30倍)
(1)KS-11 (肉厚40mm 容量約11.5㍑)
保冷剤投入量=3,150g
(2)KS-11 (肉厚40mm 容量約11.5㍑)
保冷剤投入量=4,900g
(3)KL-14W (肉厚24mm 容量約15㍑)
保冷剤投入量=4,350g
※KL-14Wは蓋部分に保冷剤を収納できる構造となっている
KL-14W 本体
KL-14W 蓋
(4)KC-12 (肉厚23mm 容量約13㍑)
保冷剤投入量=3,600g
2.試験方法
それぞれの保冷容器に繰り返し使えるタイプの保冷剤を容器の内寸に合わせて組み合わせて配置する。保冷剤を冷凍庫(-18℃)で充分に凍らせた後に発泡スチロール容器に入れ、温度測定器が直接保冷剤に触れないように発泡スチロールで下駄を履かせ、空間を保持するために金属製のかごに入れ、保冷時間の測定を行った。
注記:袋タイプの保冷剤では冷凍後に形状が一定しない上に繰り返し利用では袋が破損して中身が出る恐れがあるので、ブロー成形タイプの保冷剤とした。
3.試験結果
4.考 察
-18℃タイプの冷凍庫から保冷剤を出して各々の発泡スチロール容器にセットしテストを始めたが、ほとんどの容器で20時間経過前後で氷温となり、その後約24時間は氷温を保持し、その後は保冷剤が多く投入された容器が長時間保冷出来た。今回は全ての容器が発泡倍率30倍で、(1)と(2)は同じKS-11を使用し保冷剤の投入量を大きく変えてみた結果、1.5倍多く保冷剤を投入した(2)は約20時間延長できた。
(1)のKS-11と(4)のKC-12は容量や保冷剤の投入量が似ているが、肉厚の厚いKS-11の方が保冷時間が長く、断熱材の厚い方が保冷能力が高いことを実証できました。また、肉厚のある断熱性能の高い発泡スチロール容器に、十分な量の保冷剤を投入することで氷温時間を長時間保たせる能力が有ることが分かった。
以上の結果から、コロナウィルスのワクチン保冷箱・保冷容器としてワクチンの解凍後に2~8℃を24時間以上の長時間保たせることが可能で有ると思われます。
※なお、この温度試験は弊社内での試験であり、性能を保証するものではありません。