弊社は御客様のニーズに応える製品を提供することは当然ですが、弊社の持ち合わせた各種情報と経験から少しでも御客様の問題解決のお手伝いが出来ればと取組んでいます。

お客様との懇談の中で「アイスギフトセットについて、昨今の原材料や資材、配送費等が上昇し全体のコスト見直しを余儀なくされ困っている」との情報を聞くことが出来ました。

アイスクリームのギフトセットの中身や利用している発泡スチロール容器は分かっていたので、中に入れるドライアイスの量と配送で到着までの保証時間などの情報を提供していただき、弊社にて次の点に注目しコスト改善のための提案を致しました。

①アイスクリームセットを入れる発泡スチロール容器は適正容器なのか?
(現在は発泡倍率50倍の製品を利用)
②投入するドライアイスの量は適量なのか?
(アイスクリームギフトには1.4kgのドライアイスを投入)

(1)発泡スチロール容器の発泡倍率を60倍にし容器のコストダウンを図ったとき
 ドライアイスの投入量も増やさなくてはならず現行の容器にドライアイスが入らない。
結果的に発泡スチロール容器が大きくなったりドライアイスの量が増えることでコストアップになる。

(2)発泡スチロール容器の保冷性能を上げてドライアイス削減が出来ないか?
 発泡スチロール容器の発泡倍率を30倍にして保冷性能を上げたときのコストアップとドライアイスの削減でのコストカットを対比させてみる(トータルでコストダウン)
 弊社内で発泡スチロール容器の50倍品と30倍品を用意し、ドライアイスが無くなる迄の時間テストを行ったところ30倍品は50倍品の約1.4倍の時間残った。

(株)カルックスで輸送条件テストを提案し御客様と共同で実証実験を行う
 テスト内容(下記2つの比較試験を行う)
①従来通り50倍の発泡スチロール容器にアイスクリームと1.4kgのドライアイスを投入
②提案した30倍の発泡スチロール容器にアイスクリームと1.0kgのドライアイスを投入

 ・輸送テスト
8月の連日外気温が30℃越える猛暑の時に御客様にて通常輸送で利用しているクール便で発送していただきました。(悪条件下での輸送テスト)
送り先は御客様の営業所で翌日到着エリアの一番遠方の場所を選定し、到着後にドライアイスの残量を調べていただきました。

 ・輸送テストの結果
①の従来通りの輸送形態では、ドライアイスは約200g残っていた。
②の御提案した輸送形態では、ドライアイスは約300g残っていた。

今回の試験で弊社が御提案した「30倍の発泡スチロール容器に1.0kgのドライアイスを投入」でアイスクリームギフトに利用出来ることが判明し、400gのドライアイス削減によるコストダウンが発泡スチロールのコストアップを上回りトータルコストを削減できることが証明されました。

 ・御客様、担当者の感想
現状ではそれぞれの資材別にコスト管理をし従来通りの使用方法を踏襲していましたが、今までの固定観念を見直す必要性を感じました。
発泡スチロール容器はどれも同じだと思っていましたが保冷性能にこんなに差が出るとは思わず、ドライアイスが1kgでも十分であり400gも減らせることに驚きました。来年の夏のギフトから今回の新提案を採用します。
(株)カルックス様からの今回の提案に感謝しています。

 ・(株)カルックスの思い
今回は長年の経験と弊社での過去の試験から「発泡スチロール容器の発泡倍率を30倍にして保冷性能を上げ容器の単価は上がるが、ドライアイスを大幅に削減する事でコストカットしトータルコストでメリットを出す」事に成功しました。
発泡スチロール容器を利用して頂いている多くの御客様が、発泡スチロール容器とドライアイスや保冷剤を別々に管理しそれぞれのコストのみを管理している状況が見受けられます。

発泡スチロール容器を安物に替えると保冷性のが大きく低下し、そのためにドライアイスや保冷剤を大量に投入しなければなりません。その結果、容器が大きくなったり冷媒のコストが大きく増えたりとデメリットがありますが、単品のコストだけに目が行ってトータルコストや使い勝手まで考慮されない場合が多く見受けられます。

発泡スチロール容器の専門メーカーとして御客様の容器の利用方法や中身の保護に対する考え方を一緒に共有し、弊社とお取引をして良かったと思っていただけることが最大の喜びと感じています。